印鑑

オットの銀行口座を作らねばならなくなった。
問い合わせると、本人来店の上、外国人登録証と印鑑が必要と言われる。
印鑑はあくまで形式だから、名前でも苗字でもいいそう。
郵便局ではサインでもいいと言われたと告げると、
以前はサインでも受け付けていたが、最近ではやってないと切り返される。
仕方がないので、急いで印鑑を注文することに。


カタカナ六文字の苗字。
店のおじさんが、一般的サイズの10.5mmではきつきつというので、
ひと回り大きい12mmに2行でレーザー彫り。
所要1時間、3150円。


出来上がった印鑑を手にし、もの思いにふけるオット。
ふと漏れ出た言葉は、「象牙」。
「日本では、象牙をそのまま持っていっても大丈夫ですか?」
象牙そのものから印鑑に加工してもらえるのか、気になったらしい。
「私のおじいさんは、昔、本物の象牙を持っていました」。


それは、たぶん、きっと無理なんじゃない? 
象牙の印鑑が欲しい人は、原料:象牙を買うんじゃなくて、
素材:象牙を選ぶのです。
私の説明に、静かにうなずく。


家を建てる際にも、自分でセメントや石、ブロックを調達するラオス
オットの疑問は、ある意味、自然。